*ポッドキャストの収録および本ページ内に掲載されている画像の撮影は、新型コロナウイルス感染防止のための対人距離の確保に関する措置が取られる前に実施されたものです。
今回のエピソードでは、インド出身のファッション デザイナー、ビブー モハパトラをゲストに迎え、エディター兼ブロードキャスターのミマ ヴィクレツィオとの対談をお届けします。ビブーは、インドの一般的な職業に就くのではなく、ファッションの世界でキャリアを追い求めてきました。インド東部で過ごした幼少期、インドの伝統に初めて触れた思い出とそれがもたらした影響、そして自分自身に忠実であり続けることの大切さなど、人生の旅についてビブー モハパトラ自身が語ります。
インド東部で過ごした幼少時代、クリエイティビティとデザインへの愛がどのように芽生えたのかを説明するビブー。「私が11歳か12歳の頃です。母がミシンで何かを縫っているのを見て、私は強い興味を示しました。ある日、『やってみる?』と聞かれたので『うん』と答えると、母は縫い方を教えてくれました」。鮮やかな色彩と縫製の技術に心を奪われたビブー。彼の内なるクリエイティビティに火が灯った瞬間でした。家族の激励を受けながら、ビブーはその後も母親の使い古しのサリーやベッドシーツの端切れを使い、試行錯誤を重ねながら様々な形やデザインを創作していきます。
鮮やかな色彩や刺繍の美しいパターンなど、ビブーはデザイナーとして、故郷インドの伝統から多くのインスピレーションを得ます。「伝統はいつもそこにあります。しかし、私が紙の上に表現しようとすると、現代的なデザインに形を変えて現れます」
ビブーがとりわけ情熱を抱くインドの伝統工芸の一つが、「イカット」と呼ばれる織物に模様を描くための染色技術です。鮮やかな色彩を奏でるこの染織工芸に囲まれて育った生い立ちが、今日のビブーのデザイン美学を形作ってきました。だからこそ、彼はこの工芸に新たな息吹を吹き込み、継承していきたいと情熱を傾けます。
ビブーは今後もこの伝統工芸品をデザインの中で活かし続けていくために、イカットを作り続ける小さな村々にその製造を委託することで支援を行っています。インドの伝統が生き続け、そして今日のモダンなデザインへと脱却する姿がそこにあります。
鮮やかな色彩や織物と同じく、ジュエリーもまたインド文化の重要な要素です。そこに数十億年という時を経て生まれ、永遠の輝きを放ち続ける天然ダイヤモンドに対するビブーの熱い情熱が加わり、デビアス フォーエバーマークとのコラボレーションが実現しました。ビブー初のファインジュエリー コレクション「フォーエバーマーク アルテミス™ コレクション」が誕生したのです。
デザイナーとしての大きなチャンスとキャリアの転機へと彼を導いたのは、インドの伝統からインスピレーションを受けて生まれた見事なデザインでした。当時アメリカ合衆国のファーストレディーだったミシェル オバマがインド訪問時に彼がデザインした服を着用し、メディアが大きく取り上げたのです。これにより、ビブーのデザインは瞬く間に世間の注目の的となり、彼は世界的に有名なファッションデザイナーとして名声を博します。インドのクリエイティブな才能にスポットライトが当たったのです。
このポッドキャストを通じて、ビブーは私たちを彼の人生の旅に誘い、自分自身に、そして自分の価値観に忠実であり続けることの大切さを教えてくれています。